現在のプラスチックを取り巻く社会情勢は大きく変化しています。世間では「持続可能な開発目標」というスローガンのもと、これまでの生産者を中心とした利益追求から一転して社会全体、ひいては全世界の人々をも視野にいれた事業活動を求められるに至りました。そして、海洋プラスチックごみ問題などに代表されるように、プラスチック産業全体への風当たりも大変強い状況です。

しかしこの強い逆風は、旧態依然としたプラスチック産業へのものであり、新たな価値観を受け入れて挑戦を続ける企業にとっては強力な追い風になります。

弊社はこれまで、汎用プラスチックの他に、エンプラやフィラー入り樹脂、成型時に強い腐食ガスの発生するフッ素系樹脂などの様々な材料に対応した金型を製作して参りました。それにより、樹脂ごとの特性を理解し、型構造やシボとの相性、離形性を高める磨き方などのノウハウを得ております。これらの知見に加えて、弊社の得意とする型内ゲートカット技術や複雑なアンダーカット処理技術などを組み合わせることで、効率よく高品質な成型ができるように工夫を凝らしています。

また弊社では、流動性の悪い樹脂にも対応できるように、ホットランナーの活用に力を入れております。お客様のご要望に合うホットランナーシステムを複数のメーカーの製品から選定し、組付け、結線、調整、昇温確認、動作確認などをすべて自社内で行ったうえで出荷します。技術と資料が全て社内にあるからこそ、不具合対応や微調整も迅速に行うことが可能となりました。

このような、製品一点ごとに金型を最適化するノウハウは、今後さらに発展が見込まれる環境対応型の材料や、天然素材を混ぜ込んだ樹脂などの新材料にも応用できるものと確信しております。

これからの社会に求められる製品をタイムリーにご提供するために、持てる技術を最大限に活かして金型作りに取り組んで参ります。今後もお客様とその先のエンドユーザーの皆様、さらに社会全体へと高い価値をお届けできるように技術開発に邁進する所存です。

代表取締役社長　小谷 宗夫